鎌倉夫人の巻

公開日:2020年08月30日 カテゴリー:Diary タグ:

昔は「鎌倉夫人」という言葉があった。特に規定はないが、簡単に言うと「品のあるご婦人」の事を言っていた。僕の子供の頃はこの「鎌倉夫人」がわりに居た。もちろん山室の母ちゃんのようなシミーズ一枚で獅子舞いのように笑うオバちゃんも居たが、やっちゃんのお袋のような品のある鎌倉夫人も居た。時代は移りこの10年鎌倉夫人はイリオモテヤマネコのように絶滅寸前になっている。今僕の知り合いの「鎌倉夫人」は2人。上品なたたずまいに落ち着いた口調。僕は自然とおちょぼ口になり「マジっすか?」が出ないように静かに頷く。一人の鎌倉夫人は園芸で使う「土」を「お砂」と言う。僕もつられ「ではお砂3袋ですね」と注文を確認する。50年前の鎌倉の昔話になる。「よく源氏山にカブト虫採りに行きました」「釣り堀もありましたよね」等々。中学の時デートで出かけた際にお腹を壊し、野山を這いずり回った事は伏せておいた。・・・鎌倉は山と海に囲まれた土地として、明治・大正と文豪達を始めとする富裕層の別荘地として栄えた。その流れで昭和の時代はお屋敷も多く、鎌倉夫人と言われるようなご婦人もも沢山居た。それももはや昔の話し。昨今の鎌倉夫人はサーフィンもする。それはそれで良いですけどね。