極楽浄土の巻

公開日:2021年02月23日 カテゴリー:未分類 タグ:

墓参りに行く。鎌倉から1時間ほど内陸に入った町に車を走らせる。用事を済ませたところで、知り合いのお墓が近くにある事を思い出し足を延ばす。前回の墓参りの記憶を頼りに主のお墓探す。同じ苗字の墓石がいくつもあり「こういう所は同じ苗字多いんだよなぁ」と周りの田園風景を見渡す。以前友人の墓参りに行った際、どうしても目的のお墓を見つけられずに「もうこれでいいや」と目の前の墓に手を合わせ「もし違ってたら、そちらでヨロシク言ってたとお伝え下さい」と帰って来た事がある。そんな事もあったので「怪しい者じゃございません」と墓を覗き込み「墓誌」に掘られた名前を見て回る。そして「ヒデオ享年58歳」の文字を見つける。故人は親父が営むお店で永年働いてくれた従業員の方で、子供の僕を可愛ってくれたおじさんというかお兄さんというかそういう人なのだ。その人の年齢を僕が追い抜いてしまってた事に驚く。・・・煩悩や苦しみの無い極楽浄土に無事辿り着いてるだろうか。・・・極楽浄土という所はお屋敷に住み、年中うな重に鴨南そばに美女だらけでウシッシッと思ったら、どうやらそうではないらしい。ただただ苦労が無く、病気も無いし年も取らない、そしても死ぬ事も無い。そういう世界らしい。苦労が無いのは魅力だけど「煩悩」が日々を楽しくしてる気もするなぁ。